飲料

「水」を知って、うるおいのある毎日を

宇宙から眺める地球が青いのは、その表面積のおよそ70%が海=水で覆われているため。水の惑星(ほし)に生まれた私たちの体も、やはり半分以上が水分でできています。 生命を支える身近で大切な存在である「水」。私たちの生活から切り離すことのできない水をよく知って、いきいきとうるおいのある毎日を過ごしたいものです。

日本は軟らかく、ヨーロッパは硬い

水には軟水と硬水の2種類があることはすでにご存じですね。水はミネラル(マグネシウムとカルシウム)の含有量=硬度によって分類され、ミネラルが多ければ「硬水」、少なければ「軟水」となります。 ヨーロッパの土地はカルシウムを多く含む石灰岩が多いため、川の水や地下水は硬度が高くなります。一方、火山国である日本は火成岩の地層が多く石灰岩が少ないので、ミネラル分の少ない軟水になるのです。 軟水を飲む日本人は、ヨーロッパ人のように飲料水でミネラルを摂取するのではなく、魚や海藻類などを食べることでミネラルを補給してきました。しかし、最近は食の欧米化が進んでいるために、日本人の体はミネラル不足の傾向にあるようです。食事から摂りにくい場合は硬水を飲んで、手軽に効率よくミネラルを補給することも必要かもしれませんね。

美容に役立つ水

洗顔や洗髪には、刺激が少なくせっけんやシャンプーの泡立ちのよい軟水が最適です。よけいな成分が少ない軟水は肌にやさしく、つやのあるしっとりとした肌に整えます。 ダイエットをしたい人は水をできるだけたくさん(1日およそ1.5から2リットル)飲みましょう。基礎代謝を高めたり老廃物を効果的に排出するほか、空腹をやわらげる効果もあります。ダイエットには、食事制限によって不足したミネラルを補う硬水がおすすめ。カルシウム豊富な硬水なら、ダイエット時のストレスやイライラの解消にも役立ちます。

軟水は濃い味に、硬水はさっぱり味に

水をそのまま飲むのであれば、軟水の味は軽くてまろやか、硬水はキリッと引き締まった味です。味の違いはミネラルの含有量によるものですが、このミネラル分がお茶や紅茶、コーヒーなどの味や色を左右します。 緑茶や紅茶の繊細な味と香りを引き出すには、うまみや渋みといった素材そのものの味をしっかり抽出する軟水が適しています。 特に緑茶はアミノ酸などのうまみがおいしさの決め手となるので、成分を抽出しにくい硬水は不向きです。 紅茶の場合は茶葉の種類や好みによって使い分けるとよいでしょう。ダージリンのように色が淡く香りの強い紅茶には軟水を。アッサムティーのように発酵度の高い紅茶は、軟水で淹れると渋み成分であるタンニンがたくさん抽出され力強い味になります。濃い味やミルクティーを楽しむ場合には最適ですが、苦さや渋みを抑えたい人は硬水で淹れるのがおすすめです。 コーヒーも同様で、香りや濃厚な風味を好むなら軟水、苦みを抑えたい場合は硬水で淹れるとマイルドな味となります。

「その土地の水」が、料理の基本

食事と水にもやはり密接な関係があります。その土地ならではの食材を使った郷土料理があるように、料理に使う水もまた「その土地の水」が最適なのです。 軟水と硬水はその性質が異なるため、料理の味や仕上がりに大きく影響します。たとえば「だし」。日本の軟水は、昆布やカツオ節などに含まれるうまみ成分のアミノ酸やペプチドを抽出するのが得意です。硬水では豊富なミネラル分がじゃまになって、これらのうまみ成分が溶け出しにくくなります。 反対に、シチューやコンソメなどのように肉や野菜を長時間煮込んで作る料理には、硬水が適しています。動物の肉や骨、野菜などのアクや臭みをカルシウムやマグネシウムが取り除いてくれるからです。
料理に最適な水の硬度
用途 硬度(mg/l) 特徴
飲料系 緑茶 50前後 緑茶のデリケートな香りと、うまみ成分を引き出す軟水を。硬水はNG。
紅茶 軟水 50前後
中硬水 100〜180
茶葉が持つ味や風味を楽しむには軟水。苦味・渋みを抑えたい場合は中程度の硬水。軟水は水色が濃くなり、硬水では薄くなる。
コーヒー 軟水 60前後
中硬水 120〜180
コーヒーの香りや風味を楽しむには軟水。マイルドな味にしたければ硬水を。(例)浅煎り豆(アメリカンなど)=軟水、深煎り豆(エスプレッソなど)=中硬水〜硬水
スープ系 こんぶ・カツオだし 軟水 30〜60 和風だしには、うまみ成分をしっかりと抽出する軟水が最適。ちなみに、硬度の低いものほど抽出力が高い。
ビーフシチュー・スープストック 硬水 200〜300 硬水に豊富に含まれるカルシウムがたんぱく質と結びつき、肉が柔らかくなる。また、アクが出やすくなるため、肉や骨の臭みを取り除きやすい。
食べ物系 白米 軟水 10〜60 軟水なら適度な粘りと弾力を出し、つややかでおいしい炊き上がりに。逆に硬水はパサつきの原因となるため不向き。
鍋物・しゃぶしゃぶ 軟水〜中硬水 60〜100 だしの味を引き出すなら軟水だが、食材のアクを取りつつ適度にうまみを残すには、中程度の硬水がおすすめ。
サフランライス・パエリア 軟水〜中硬水 60〜120 やや芯のある固めの炊き上がりとなるため、洋風炊き込みごはんには最適。
パスタ 硬水 300以上 硬水に含まれるカルシウムとパスタのでんぷん質が結びつき、コシの強い茹で上がりになる。

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